History | 特殊メイクや特殊マスクに興味を持ったきっかけから、現在に至るまでの経緯を紹介します |

特殊メイクに興味を持ったきっかけ

自分がマスクや特殊メイクにについて感心を持ち始めたのはいつの事だろう? 今思うと物心がついた小学生の頃、1番最初に感心を持ったのは、特殊メイクではなく、今でいう戦隊物の元祖、 ゴレンジャーや、ウルトラマン等のマスクや着ぐるみだったのかもしれない....。 当時これらの番組を見ていても、普通の子供のように、ストーリーやキャラクターそのものにまったく関心は無く、 ヒーローや悪役の怪獣、モンスターの着ぐるみやマスクに興味を感じて、テレビを見ていたものだ。 そしてその頃から、ウルトラマンの中に入ってみたい、戦闘員のコスチュームを着てみたいと言う 思いが強くなっていったのは間違いなかった。頭の先からつま先まで、人間の皮膚を露出せずに、 まったく別人(キャラクター)に変身できるという事が、とても羨ましかった。それと同時に、あのマスクの覗き穴からキャラクターとは違う、別の人の目がこちらを見つめているのかと思うと、なぜがとても興奮したのを覚えている。


初めてのラテックスマスク

しかし当時子供の自分にそういったコスチュームを着用するチャンスなど当然無かった。 チャンスは無かったものの、その後も変身、変装、マスクに興味を抱き始めた自分は、子供ながらにいろんな事をこっそり行っていた。 タオルを顔に巻いて、目の部分だけくり抜いたりしてマスク感覚を味わったりしたのが、今思えばマスク着用の初めての体験だったのかもしれない。しかしそんな事では、自分の芽生え始めた"変身願望"を満足させる事はできなかった。そして高校生となった時、初めてフォームラテックス(オガワスタジオ製)のゾンビのモンスターマスクをおもちゃ屋の店頭で購入した。購入する時はとても恥ずかしかったが、自宅に一目散に帰り、部屋でマスクを装着した時のあのフォームラバー系の肌にフィットする感触と、鏡で見た自分の変身した姿は今でも忘れられない。


ラテックスマスク時代から特殊メイクへ

ちょうどその当時、「13日の金曜日」を始めとするホラー映画がブームとなり、マイケルジャクソンのスリラー等が世間を賑わせた事もあって、世間では“特殊メイク”なるものがちょっとしたブーム?となっていた。 多分、当時(1987頃)フォームラバーという新しい素材が出現し、誰でも簡単に怖いモンスターを創りだせる環境が整ったのが大きかったと思いますが、スクリーン上で恐怖を煽るゾンビ等のキャラクターの変身ぶりに関して、一般の人もかなりの興味を持った事は間違いなかったのではなかろうか....。 その証拠に、日本のバラエティー番組などで“特殊メイク”を使ったネタや、「ホラー映画のモンスターはこうして作られる!」みたいなモンスターマスクの作り方のHowto番組が数多く放送されていた。今では特殊メイクはCG(コンピュータグラフィック)に取ってかわられようとしている技術であり、世間の感心も薄く、特殊メイクを扱ったテレビ番組もほとんどない事を考えれば、正に天国のような時代だった。そんな事もあり、ゾンビマスクを購入してから暫くは、テレビで放映される画像を収集したり、今では考えられないかもしれないが、特殊メイクを扱った「Vゾーン」という雑誌を始めとする書籍を購入したりして、特殊メイクの知識を深め、欲求を満たしていた。

その後社会人になり、1人暮らしになった事もあり、今まで欲しかった物を実際に購入していった。購入していったと言っても、実際に手軽に変身願望を満たす手段と言えば「モンスターマスクの購入」位しかなかったが......。 当時国内で購入できるモンスターマスクと言えば、オガワスタジオのマスクしか無く、いくつか購入して見たものの、お世辞にも質感が良いとは言えず、自分自身が満足できる物と出会う事はできなかった。決定的に満足できなかったのは、ラバーの質感が硬く、被り心地が良くなかった点と、首周りまでカバーしたマスクが無く、いくら怖い顔をしたマスクで衣装を着たとしても、首だけ露出してしまう点がどうしても納得できなかった。(最初に購入したゾンビマスクだけは材料が異なり、質感が良かったので再度購入しようかと思ったが、これも後期型?では、首まで覆った部分はカットされていて断念した。) あとは、東急ハンズでたまにどこかの工房で作製された首まで覆っている高額(なんと7,000円位した)マスクも購入してみたが、サイズが大きく、肌への密着感が無く、ガボガボだったので直ぐに飽きてしまった。 当時ホビー雑誌の広告などで、高額ながら首まで覆って、モールドが凄く良い“ドン・ポスト社”のマスクが欲しいとは思っていたが、販売しているお店が近くに無く、手に入れる事ができなかった。 そういった感じで暫くはもんもんとした時期を過ごしたが、そんな状況を劇的に変える出来事が訪れたのです。

それはインターネットの出現でした!

当時、時を同じくして一人暮しを始めた事もあり、欲しかったアメリカ製のモンスターマスクを、ネット上で探しては購入した。クレジットカードを使用しての購入はセキュリティ的に不安もあったが、心配しても仕方無いと思い結構な数を購入した。 しかし、これらもいざ商品が手元に届いてみると、ネット上での商品写真(照明とかで、デキが非常によく見える)に比べると、期待した物ではありませんでした。決定的にダメだこりゃと思ったのは、欧米人の顔の大きさに合わせて作られている為か、サイズが大きすぎる事で、被ってみても、覗き穴の位置さえ合わない位にガボガボだった点で、これも直ぐに飽きてしまったのです。そんな四面楚歌の状況では、自分の“変身願望”の欲求は逆に強まるばかりで、手に入らないのであれば自分で作ってしまえと、設備の問題があるものの、自分の顔型に合わせて作られ、顔の動きにフィットして表情まで表現できる、“特殊メイク”のアプライエンスマスクの作製を行おうという気持ちに火がついてしまったのです。




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